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ようこそ、弁護士 田中 三貴(たなか みき)のブログへ

日々思ったこと、皆様のお役にたてる情報などを書いていきたいと思います。

お時間のある時に、覗いてくださいね。


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債務整理したいが車のローンが残っている場合

債務整理の相談を受けていると、

「車をローンで購入しまだローンが残っているが、

車を取られると生活に支障をきたすので、車を残したまま自己破産したい」

とおっしゃる方がよくいらっしゃいます。

 

ローンつきの車を残したまま、債務整理をすることはできるのでしょうか。

以下は、車をローンで購入し、車両名義がローン会社やディーラー名義に

なっているケースを前提に記載していきます。

(銀行などのマイカーローンで、車両名義が自分のケースは除きます。)

 

債務整理の方法は、主に3つあります。

任意整理・個人再生・自己破産、といった3種類です。

 

任意整理の場合、どこの債権者を対象とするか選択することができますので、

車のローン会社を任意整理の対象から外し、

従前どおり(ローン契約どおり)支払いを行っていけば、

車両の引揚げとなることはありません。

 

これに対し、個人再生や自己破産の場合債権者平等の観点から、

車のローン会社を債務整理の対象から外すことはできません。

そのため、個人再生や自己破産の手続きを行おうとする場合、

車のローン会社も債権者として対象にせざるを得ませんので、

車両が引揚げられることとなり、車を残すことはできません。

 

私自身も三重県に住んでいると公共交通機関の便があまり良くないと

感じたりするので、車がないと生活が不便ということは理解できます。

しかしだからと言って、ローンが残ったままの車両を手元に残しつつ

自己破産手続きを行うことは難しいですので、

ご理解いただければと思います。

 

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民法改正(相隣関係・竹木の枝)

1 土地所有者による枝の切除

 「隣の家の木が、自分の家まで伸びてきて困るから何とかしたい」

 といった相談を受けたことが何度かあります。

 この点に関し、今月1日施行の民法において改正がなされました。

 

 これまでは、隣地の竹木の枝が境界線を越えてきても、

 その竹木の所有者に枝を切除してもらう必要がありました。

 すなわち、境界線を越えて伸びてきた枝があっても、

 伸びてきた枝の土地所有者は自ら切除することが出来ませんでした。

 竹木の所有者が枝を切除しない場合には、

 訴訟提起をして、切除を命じる判決を得て、

 強制執行の手続きを取らざるを得ませんでした。

 枝が境界線を越える度に、竹木の所有者が枝を切除しない場合、

 このように訴訟提起をする必要があったのです。

 しかし、これではかなり面倒ですし、

 訴訟提起のたびに費用がかさんでしまいます。

 

 改正民法では、竹木の所有者が枝を切除する必要があることを

 原則としつつも、以下の場合には、

 土地の所有者(枝が越境された土地の所有者)は、

 その枝を切除することができるとされました(民法233条3項)

  ⑴竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、

   竹木の所有者が相当期間内に切除しないとき

  ⑵竹木の所有者を知ることができず、

   又はその所在を知ることができないとき

  ⑶急迫の事情があるとき

 

 切除に要した費用については、

 枝が境界線を越えて土地所有権を侵害していることや、

 土地所有者が本来負っている義務(枝の切除をする義務)を免れている

 ことなどから、竹木の所有者に請求できると考えられます。

 

2 共有者による枝の切除

 従来の場合、竹木が共有されている場合、

 竹木の共有者が越境した枝を切除しようとしても、

 変更行為として共有者全員の同意が必要とされていました。

 

 改正民法では、各共有者が越境している枝を切除することができる

 とされました(民法233条2項)。

 これにより、竹木の共有者の一人から承諾を得れば、

 枝が越境された土地の所有者などが

 共有者に代わり枝を切除することができます。

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三重県内でもそろそろ桜の見ごろが過ぎてしまいました。

今年は、いろいろな花の開花が早い気がしますね。



過去にも債務整理していますが...

債務整理の相談を受けていると、

「過去にも債務整理を行ったことがあります」という方が

増えてきているような気がします。

以前は、たまにいらっしゃるかな、という感覚だったのですが、

最近は月に数件というペースになってきています。

 

過去の債務整理といっても、人によりさまざまで、

自己破産の方、個人再生の方、任意整理の方がいらっしゃいます。

以前に自己破産と個人再生(給与所得者等再生)を行ったという方は

特に注意が必要です。

 

確かに、自己破産には、回数制限がありませんので、

2回目の破産であっても手続きを行うことは可能です。

しかし、例えば、以前自己破産した方が再度自己破産を行う等とした場合、

免責許可が得られない可能性があります。

破産法は、

免責許可の決定確定の被から7年以内に免責許可の申立があった場合、

免責許可を受けることができない、と定めているからです。

また、仮に7年が経過していても、前回と同じ理由での破産原因であれば、

免責を許可するか否かの判断において厳しい目で見られることとなります。

ケースによっては、2回目の破産の場合には、同時廃止手続きではなく、

破産管財手続になることもあります。

 

チーズケーキ.jpg

先日、依頼者様からチーズケーキの差し入れをいただきました。

三重県鳥羽市にあるホテルのチーズケーキです。

スタッフとともにいただきました。ありがとうございました。



婚姻費用分担請求

婚姻費用とは、夫婦と子が、その収入や財産などに応じて、

通常の社会生活を維持するために必要な生活費のことを言います。

同居している場合には、問題となるケースは少ないかと思います。

ただ、夫婦が別居した場合、問題となるケースが出てきます。

 

この婚姻費用には、衣食住のほか、出産日、医療費、未成熟子の養育費、

教育費、相当の交際費などのおよそ夫婦が生活していくための必要な費用が

含まれていると考えられています(裁判所HPより)。

 

別居中の夫婦の間であっても、婚姻費用の分担義務はあります。

そこで、当事者間の話し合いで婚姻費用を決めることもありますが、

話し合いがうまくいかないケースがあります。

そのように話し合いがまとまらない場合には、

家庭裁判所に婚姻費用の分担調停を申立てます。

 

調停手続きでは、主に収入などについて当事者双方から事情を聞いたり、

資料を提出したりして、金額について話し合いをしていきます。

調停はあくまでも話し合いでの解決を目指す場ですので、

当事者双方の合意がなければ、調停が成立することはありません。

もし、調停が不成立となった場合、婚姻費用分担請求事件の場合は

審判手続きに移行し、裁判官が審理を行い、審判を下すこととなります。

 

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三重県鈴鹿市の椿大神社の手水舎です



交通事故における過失割合

当弁護士法人では、本日が仕事始めです。

今年もよろしくお願いします。

 

昨年、交通事故相談を受けていて、誤解があるのでは?と感じたのが、

過失割合に対する認識(?)について。

例えば、赤信号で停車中に後方から追突事故に遭った場合、

過失割合の話を保険会社からされることはまずないでしょう。

これに対し、出会い頭の事故などの場合には、過失割合が問題となります。

過失割合は、自分の損害額に影響を及ぼすだけでなく、

相手方の損害に対する負担も発生することになりますので、

示談する際には重要な項目の1つと言えます。

ただ、この過失割合について、誤解されているのではないか?と

思われることが昨年中に何度かありました。

この過失割合、警察が決めるわけではありません。

当事者(保険会社)と話し合ってきめたり、

協議がつかない場合には訴訟提起をして裁判所(裁判官)が

判断することとなります。

相談時などでよく「警察から自分は悪くない、と言われたんだから、

自分には過失はない」とか、

「相手方は刑事処分を受けたんだから、相手方が悪く、自分は悪くない」と

お話される方がいらっしゃいます。

しかしながら、上記のとおり、警察が過失の有無や割合について

決めるわけではありません。

過失があれば刑事処分が下されることがあります。

ここでいう過失とは、全面的に悪いことが前提ではありません。

極端に言えば、過失割合が1:9で過失が1しかない場合であっても、

1割でも過失があれば、相手方の怪我の状況など刑事処分を

下されることがあるのです。

そのため、警察が悪くないと言ったとか、

相手方が刑事処分を受けたといった事情をもって、

自分が過失ゼロということにはなりませんので、ご注意ください。

 

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初日の出



相続放棄と光熱費の支払い

最近、相続放棄の相談が増えてきたように思います。

相続放棄の相談をしていると、

「未払いの電気代の請求が届いていますが、支払った方がいいですか?」

と聞かれることがあります。

 

相続放棄をするうえで気を付けなければならないのが、

「単純承認」に該当する行為を行わないこと。

単純承認に該当する行為を行ってしまうと、

相続放棄をすることができなくなってしまうからです。

 

【被相続人の財産から支払う場合】

被相続人(亡くなった方)の財産(遺産)から支払ってしまうと、

被相続人の財産を処分したことになってしまうので、

「単純承認」に該当する可能性が高いと言えます。

 

【相続人の財産から支払う場合】

相続人の財産から支払う場合には、被相続人の財産を処分したことには

ならないので、「単純承認」に該当しません。

 

【相続放棄が受理された場合】

相続放棄をすると、被相続人契約の光熱費の未払い分について支払う

義務はなくなります。

ただ、「日常家事債務」に該当する場合には、注意が必要です。

例えば、相続人が被相続人の配偶者で、同居していた場合、

未払いの光熱費は日常家事債務として、相続人自身の債務をして支払う

必要が生じてきます。

このように日常家事債務として連帯債務を負うものについては、

相続放棄をしても支払い義務がありますので、注意が必要です。

 

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先日、名古屋に行った際、某デパートの入口にクリスマスの飾り付けが。

三重県内でもクリスマスの飾り付けを見かけるようになり、

季節を感じますね。



交通事故相談センター相談員等研修会

本日は、交通事故に関する研修に参加しました。

こういう研修に参加するのは久しぶりです。

 

今回の研修テーマは、

①積極損害各論、②自賠責保険と政府保障事業でした。

裁判例などが箇条書きで書かれていたり、

レジュメが充実していましたので、

ZOOMでも分かりやすくて良かったです。

 

本当は、三重弁護士会会館で受講する予定だったのですが、

諸事情により、ZOOMにて参加。

以前だと、ZOOM参加というのがなかったので、

時代はどんどん変わっていきますね。

あとで会館で受講した弁護士に聞いたところ、

会館のシステムでは、音が途切れることもあったそうですが、

ZOOMでは音が途切れるようなことがなかったので、

むしろZOOMの方がよかったのかも。

 

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先月は、久しぶりに、中弁連の委員会のため、金沢に行ってきました。

これまでZOOMで行っていたため、画面越しではなく直接会うと

なんだか不思議な感覚でした。

何年かぶりの金沢では、駅前で写真を撮影。



保証債務と相続

亡くなった方(被相続人)が誰かの連帯保証人になっていた場合、

相続人は相続をすることになってしまいます。

相続では、被相続人の遺産について、プラスの財産も、

マイナスの財産も引き継ぐことになるからです。

相続をしてしまった場合、相続人が債権者に対して返済をする

必要があります。

被相続人が連帯保証人になっていたことを知らなかったというだけでは

返済義務を免れることはできません。

 

ただし、相続の対象とならない保証債務があるので、注意が必要です。

・極度額の定めがない根保証の債務のうち、相続発生時点で未発生のもの

・身元保証の保証債務

以上の保証債務については、相続の対象とはなりません。

一方、根保証でも、相続発生時点ですでに発生しているものについては、

相続の対象となります。

 

多額の連帯保証債務を相続しないためには、どうしたらよいのでしょうか。

債務を相続しない(返済義務を免れる)ためには、

相続放棄をする必要があります。

相続放棄とは、相続人が被相続人の財産を相続したくない場合に、

その財産(遺産)を放棄することを言います。

ただ、相続放棄をすると、マイナスの財産のみならず、

プラスの財産も引き継ぐことができなくなるため、注意が必要です。

また、相続放棄は、「単に相続しません。」と他の相続人や債権者らに

主張するだけでは相続放棄には当たりません。

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、

相続があったのを知ってから3か月以内に

相続放棄の申述をする必要があります。

 

悩まれましたら、まずは弁護士にご相談ください。

 

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自己破産と養育費の支払義務

自己破産手続きを行い、免責許可決定を受けると、

債務者は、債務の支払義務を免れることができます。

この支払義務を免れる債務に「養育費」が含まれるのでしょうか。

債務整理の相談を受けていると、時折、

未払いの養育費も自己破産すれば支払わなくていいですか?

と聞かれることがあります。

 

結論から先にいえば、自己破産しても、

滞納していた養育費の支払義務を免れることはできません。

破産法において、一定の債権については、

自己破産手続きにおいて免責許可を得たとしても、

免責の対象外となる債権を定めています。

つまり支払義務が残る債権を定めています。

これを「非免責債権」と言います。

養育費は、この非免責債権に該当します。

そのため、養育費を滞納していた場合、

自己破産をし、免責許可決定を受けても、

養育費については支払う義務が残ります。

また、将来発生する養育費については、

自己破産申立時にはまだ具体化していない債務ですので、

そもそも自己破産手続きの対象となるものではありません。

 

自己破産を行うということは、経済的状況が良くないということですので、

養育費の見直しを検討することも必要になるでしょう。

その場合、元配偶者と養育費の減額を協議したり

、協議がまとまらない場合には、

養育費減額の調停申し立てを行うなどすることとなります。

 

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最近、ついていないと思うことが多かったので、

三重県鈴鹿市にある椿大神社に行ってきました。

境内の「招福の玉」



弁護士費用特約

弁護士に依頼するときに気になるのが、弁護士費用・報酬です。

 

弁護士費用特約とは、交通事故に遭ってしまった場合に、

弁護士にかかる法律相談料や依頼した場合の弁護士費用等について、

保険会社が支払ってくれる特約です。

 

車両保険における弁護士費用特約の上限は300万円とされていることが

多いです。

上限は300万円となっていますので、経験上、

後遺障害等級が重い場合等でなければ、上限の範囲内で収まります。

そのため、依頼者様に報酬等を負担していただくことはないことが

多いように思います。

ただ、後遺障害等級が重い場合には、

加害者側保険会社から得られる賠償額が高額化しますので、

それに伴い、弁護士報酬額も高くなってしまいます。

そうしますと、弁護士特約の上限である300万円を超える分については、

依頼者様にご負担していただく必要があります。

 

交通事故の場合に、この特約を利用することが多いので、

自動車保険に付帯されていることが多いですが、

火災保険や生命保険等にも特約として付帯されていることがあります。

 

特約の利用範囲については、保険契約の内容により異なってきますので、

注意が必要です。

被保険者本人のみならず、その配偶者や同居の親族に適用される内容に

なっていることもあります。

また、未婚であれば、別居の親族(子など)にも適用できることがあります。

範囲については、契約内容によって異なりますので、ご利用される場合には、

保険会社に適用できる範囲か否か確認されることをお勧めします。

 

志摩地中海村.jpg

最近テレビで取り上げられている三重県にある志摩地中海村です。

海外に行けない今、少しでも海外気分が味わえるかも!?



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