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ようこそ、弁護士 田中 三貴(たなか みき)のブログへ

日々思ったこと、皆様のお役にたてる情報などを書いていきたいと思います。

お時間のある時に、覗いてくださいね。


私が所属する「弁護士法人心 津法律事務所」のサイトはこちらです。


1回も返済せずに自己破産できる?

債務整理の相談は以前から多いですが、

最近、数年前における債務整理の相談と内容が異なる気がします。

ここ数年における債務整理の相談では、

借り入れを始めてから相談までの期間、

つまり債権者との取引期間が短くなっている気がします。

借りて数カ月で自己破産したいといったケースが増えてきている気がします。

中には、1回も返済していない業者がいるにもかかわらず、

自己破産したいという相談も。

以前であれば、1回も返済していない業者が含まれているという相談は

数カ月に1件あるか否かといった程度であったにもかかわらず、

最近は、毎月のように相談があります。

 

1回も返済せずに自己破産が認められるのか?

結論から言えば、自己破産ができなくはないです。

ただ、1回も返済していない場合でも、ケースがいくつかあります。

 

例えば、第三者の保証人になっていた場合で、

主債務者の返済が滞ってしまったために、

債権者から一括請求されたものの返済できない場合。

このようなケースであれば、1回も返済せずに破産申し立てを行っても、

免責がなされることはありますし、

実際に私が代理人として申立てしたケースでも免責決定がなされました。

 

これに対し、多重債務に陥っており、新たな業者から借り入れを行い、

1回も返済することなく自己破産の申し立てを行う場合。

このような場合、詐欺破産、すなわち、初めから返済するつもりがなく

借り入れを行ったと看做され、免責が認められない場合があります。

詐欺と言われかねない事態なのです。

相談者にその旨を伝えると、「じゃ、何回支払えばいいんですか⁉」と

聞かれますが、単純に回数ではないと考えています。

直近に借り入れをしなければならなくなった理由や、

返済できなくなった理由など、事情を考慮しなければならないためです。

 

梅.jpg

昨年撮影した梅の写真です。

今日は三重県でも雪が降っている地域があります。

花の咲く季節が早く訪れてほしいですね。



2024年の三重県の交通事故死者数減少

仕事始めから数日経ちました。

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

三重県警が、昨年の交通事故死者数について発表しました。

2024年の交通事故死者数は46人で、2023年の66人から20人減少、

統計開始(1954年)以降最小だったとのことです。

人身事故件数も、過去最低に近い水準になったらしいです。

 

減少の主な理由として、担当者が挙げているのは、

事故の多かった幅員の狭い生活道路で速度抑制を図ったことです。

移動オービスを使った取り締まりや、

歩行者が手を挙げて横断の意思を示す「ハンドサイン」の活用を

促したことなどが功を奏したと捉えているらしいです。

ただ、私の実感ですが、横断歩道を渡ろうとしても、

停車してくれる車両の数はまだまだ少なく、

横断歩道を渡り始めたにもかかわらず、

停車せずに私の前を車両が横切るケースもありました。

ですので、まだまだ事故に遭いそうな危険なケースはありそうな感じです。

 

車に乗っていた際に事故で亡くなった23人のうち、

12人(うち、約9割が運転手)がシートベルトを着けていなかった

とのことですので、やはり、シートベルトの装着は、

自分の命を守るうえでも大切です。

さらに、飲酒運転に絡む死者は6人だったとのことです。

飲酒運転がまだまだあるという現実があります。

 

私も日常的に運転をするので、今年も事故を起こさないよう、

気を付けて運転していきたいと思います。

 

202501ご神木.jpg



カスハラ防止条例(桑名市)

10月10日のブログで、東京都において、

全国で初めてとなるカスハラ防止条例が可決・成立した旨書きました。

 

三重県桑名市でも、現在、カスハラ防止条例について議論しています。

桑名市が議論している条例案は、

ハラスメントを行った人物の氏名公表を含むものであり、

成立した場合、全国初の条例となります。

 

桑名市の条例案では、カスハラと認定した場合、

ハラスメントを行った人物に対し聞き取りや警告などを行い、

改善が見られなかった場合、

氏名を公表するなどの制裁措置が盛り込まれたものです。

 

確かに、東京都において成立したカスハラ防止条例では罰則がなく、

実効性確保が問題となってくると思われますので、

氏名公表などの制裁措置は実効性確保を見据えたものと言えます。

ただ一方で、氏名が公表されることにより、

その人に対する誹謗中傷が殺到するおそれもありますので、

その点についてどういう対応をとるべきなのかも

考えなければならないのかもしれません。

 

桑名市の条例案は、今月25日に採決が行われる予定とのことですので、

その結果が気になるところです。

また、可決・成立し、実際に施行された場合、

どのように実際に運用されるのか気になるところです。

 

いただきもの(お菓子).jpg いただきもの(たまご).jpg

先日、お菓子や卵をいただきました(別々の方)。

お菓子はみんなでおいしくいただきました。

卵は「絶対使うから」とみんな喜んでお持ち帰りしました。

ありがとうございました。



自転車に関する道路交通法の改正

道路交通法が改正され、今月(令和6年11月)から

自転車運転中の「ながらスマホ」の罰則強化、

「自転車の酒気帯び運転」が新たに罰則の対象となりました。

 

1)自転車は軽車両

道路交通法では、自転車は、車やバイクと同じ扱いとなるため、

「軽車両」とされています。

免許が不要ですし、小さい子も乗っているので、

歩行者と同じ扱いと勘違いされる方もいらっしゃるかもしれませんが、

道路交通法では「軽車両」として扱われます。

 

2)ながら運転の罰則強化

【対象行為】

・自転車運転中にスマホ通話すること(ハンズフリーの場合を除く)

・自転車運転中にスマホの表示された画面を注視すること

(※停止中の操作は対象外)

【罰則】

違反者:6月以下の懲役または10万円以下の罰金

交通の危険を生じさせた場合:1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

 

3)酒気帯び運転

これまで、酩酊状態で運転する「酒酔い運転」のみが処罰と対象と

されてきましたが、道路交通法の改正により、

「酒気帯び運転」も罰則の対象となりました。

また、自転車の飲酒運転をするおそれがある者に酒類を提供したり、

自転車を提供したりすることも「幇助」として禁止されました。

【対象行為】

・酒気を帯びての自転車運転

・自転車の飲酒運転をするおそれがある者への酒類の提供

・自転車の飲酒運転をするおそれがある者への自転車提供

・自転車の運転者が酒気帯びであることを知りながら、

   自転車で送るように依頼して同乗すること

【罰則】

・違反者:3年以下の懲役または50万円以下の罰金

・自転車提供者:3年以下の懲役または50万円以下の罰金

・酒類提供者・同乗者:2年以下の懲役または30万円以下の罰金

 

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お菓子をいただきました。

津事務所の弁護士・スタッフみんなで美味しくいただきました。

ありがとうございました。



カスハラ防止条例成立(東京都)

先日(令和6年10月4日)、全国で初めてとなる、

カスハラ防止条例が東京都で可決・成立しました。

施行は来年4月1日とのことです。

 

カスハラ(カスタマーハラスメント)被害は

報道でもよく見かけるようになるなど、社会問題化されています。

国に先駆けて東京都が成立したものです。

 

1)カスハラの定義

条例では、カスハラを「顧客らから就業者に対し、

その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、

就業環境を害するもの」と定義されました。

この「著しい迷惑行為」とは、

①暴行、脅迫その他の違法行為、

②正当な理由がない過度な要求、暴言など不当な行為、

をいうものとされています。

ただ、カスハラ行為の多くが違法行為には該当しないことが多いですので、

②に該当するか否かが実務上は問題となってくると思われます。

 

2)カスハラの禁止

条例では、「何人も、あらゆる場においてカスハラを行ってはならない」

と明記されました。

 

3)責務

条例は、顧客や働く人、事業者、都に対し防止に向けた責務を定めました。

顧客の責務としては、問題への理解を深め、

働く人に対する言動に必要な注意を払うよう努めること

などが挙げられています。

事業者には、その事業に関して働く人がカスハラを受けた場合には、

速やかに働く人の安全を確保するとともに、

当該行為を行った顧客等に対し、その中止の申し入れその他必要な

適切な措置を講ずるようにしなければならないとされました。

 

上記のように条例が成立しましたが、罰則がありませんので、

実効性確保が問題となってくるかと思われます。

今後、カスハラにあたる内容を具体的に示すガイドラインが作成され、

周知されるとのことですし、今後の流れに注目していきたいと思います。

 

ジュゴン.jpg

三重県鳥羽市にある鳥羽水族館。

日本で唯一ジュゴンを飼育してます。



三重県立博物館

先日、三重弁護士会女子会に参加してきました。

まずは、三重県立博物館に行き、その後食事会でした。

現在、三重県立博物館では、「標本」展を開催されており、

「標本」展を見て回りました。

チョウ剥製.jpg  カモシカ剥製.jpg

チョウやカモシカのはく製が展示されていたり、

化石標本として、ヒパクロサウルスが埋まっていた状態を

そのまま再現されていたり、興味深かったです。

標本の作り方の説明があったり、様々な木材を実際に触って、

重さ比較してみたりするコーナーあり、楽しかったです。

 

「標本」展などの企画展は、こどもは無料です。

その「こども」と言うのが、高校生以下!

小学生以下無料というのはよく聞きますが、

中学生以下無料もたまに聞きますが、

なんと高校生以下というのは、あまり聞いたことがなく驚きました!

 

三重県立博物館では、企画展に入らなくても、

無料で「ミエゾウ」を見ることができます。

ミエゾウ.jpg

三重県で初めて発見された化石ということで、

「ミエ」の名前が付けられたそうです。

 

また、入り口フロアには「さんちゃん」というオオサンショウウオが

展示されており、無料で見ることができます。

 

三重県立博物館は会館10周年というメモリアルイヤーです。

これまで行ったことがなかったのですが、実際に行ってみたら、

無料で見られるものもたくさんあり、めちゃくちゃ楽しかったです。

また機会があれば行ってみたいと思います。



債務整理における直接面談

最近、また債務整理の相談が増えてきている気がします。

他の事務所(弁護士だけでなく司法書士含む)に依頼していたが、

事情があって解任・辞任となった…との相談も増えている気がします。

他の事務所に依頼していた方には、

どのような手続きをとろうとしていたのか質問をいたします。

その際、「債務整理」と答えられることが多くあります。

ただ、「債務整理」というのは、総称のようなものです。

「債務整理」とは、借金を減らしたり、支払い方法を見直すことで、

借金の悩みを解決しようというものです。

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産といった方策があります。

ですので、どのような手続きを依頼していたのか?と聞いて

「債務整理」と答えられても、正直、どの手続きかは不明なのです。

このようにお答えされる方は、任意整理手続きを依頼しており、

依頼する際に弁護士と直接会わずに契約しているケースが多いように

思われます。

 

債務整理案件を受任する場合、直接面談義務と言うのがあります。

これは、字のままですが、弁護士が直接依頼者と面談をすることです。

ただ、直接面談することがない事務所もあるようです。

例えば、三重県在住の方が東京や大阪の事務所に依頼する際、

電話やラインなどだけで直接面談することなく、

依頼しているケースがあります。

そうすると、どうしても、説明不足するまま、

手続きを進められていくことが否めません。

また、直接面談することなく契約した場合、

任意整理を依頼して、自己破産などに方針変更する際、

事務所によっては「自己破産なら、お近くの事務所に相談してください」

と言って、契約解除を促すところもあるようです。

ただ、弁護士の資格は日本国内共通です。

事務所開設している地域以外の裁判所であっても、

弁護士が代理人として申立てすることは全く問題がありません。

実際、私も、他県での申立てを何度かしたことがあります。

 

直接面談で事務所に出向くのは、相談者からしたら面倒と

思われるかもしれません。

しかし、じっくり説明を聞くためにも、そして、

方針変更の際にスムーズにいくためにも、

直接面談にご理解いただければと思います。

 

202407ツバメの巣.jpg

先日、某医療機関に行った際、ツバメの巣を見かけました。

ヒナたちが可愛かった~



遺言書が複数枚出てきた場合どうなる?

被相続人が亡くなり、その後、遺言書が何通も発見された場合、

どれが有効ですか?と聞かれることがあります。

遺言書は何通でも作成することができます。

それぞれの遺言書が要件を備えていれば、

遺言書としては、いずれも有効となります。

ですので、複数の遺言書が存在し、そのいずれもが要件を満たしている場合、

遺言書そのものの有効無効の問題ではなく、

いずれが優先するのかが問題となってきます。

 

①遺言書の内容が被らない場合

 例えば、前に作成した遺言書では預貯金の割り振りについて記載され、

 のちに作成した遺言書では不動産の割り振りについて記載された

 遺言書であった場合。

 これらの場合は、遺言書の内容が被らないため、いずれの遺言書も

 有効となります。

 

②遺言書の内容が被る場合

 例えば、前に作成した遺言書では、「自宅不動産については、

 Aに相続させる」と記載されていたにもかかわらず、

 のちに作成した遺言書では「自宅不動産については、Bに相続させる」

 と記載されていた場合

 このように、遺言書の内容が被り、相続させる者が異なるなどの場合には、

 優先関係が問題となってきます。

 

遺言書の内容が被り異なる場合には、遺言書の作成された日付を

確認することが必要です。

遺言者本人の最後の意思を尊重するものとして、

日付が最新のものが優先されることとなります。

遺言者が、前の遺言書をのちに作成した遺言書で取り消したものと

考えるものとされています。

そのため、のちに作成された遺言書が優先され、

上述の場合には、自宅不動産はBが相続することとなります。

 

また、複数の遺言書のうち、公正証書遺言と自筆証書遺言が混在していた

場合であっても、日付で優先関係を判断します。

一見すると、公正証書遺言の方が厳格に作成されており、

公正証書遺言の方が優先するようにも思われがちです。

しかしながら、いずれも遺言書であることに変わりはなく、

形式によって優劣が決することはありません。

そのため、形式が異なる遺言書であっても、

日付で優劣関係を決することになります。

 

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三重県でも急に暑くなりました。

先月半ば頃はアジサイがきれいに咲いていたのに、あっという間に気温が上昇



自己破産における2種類の手続き

自己破産の相談をしていると、管財事件になる可能性が高い案件が

増えてきたように感じます。

管財事件といってもピンとこない人が多いので、今回は、

自己破産における2種類の手続きの違いについて記載したいと思います。

 

自己破産手続きには、「同時廃止」手続きと「管財事件」の2種類があります。

いずれの手続きも、最終的に免責許可決定が出されたら、

債務の支払いが免責されることなる点では同じです。

しかし、それまでに至る過程(手続きの流れ)や費用等が異なります。

 

<違い>

津地方裁判所管内において、「同時廃止」手続きの場合、

現在、基本的には債権者集会が開かれないため、

裁判所に出頭することはありません。

これに対し、「管財事件」の場合には、債権者集会が開かれますので、

裁判所に出頭する必要があります。

また、債権者に一定以上の財産があった場合、その財産は破産財団に

組み入れられ、債権者に配当されることとなります。

以上のように、債権者集会が開催されたり、配当されたりすることもあり、

「管財事件」の方が「同時廃止」に比べ、期間が長期化しますし、

また「管財事件」では裁判所に出頭する必要があります。

 

費用面について比較すると、裁判所に納める予納金について

「同時廃止」と「管財事件」では異なります。

「同時廃止」の場合には、津地方裁判所の場合、

現在は約1万2000円とされています。

「管財事件」の場合、30万円(少額予納の場合は20万円)~と

されています(個人の場合)。

この金額は、債権者数や事情等により異なってきます。

 

<どういった場合に管財事件となるのか>

「管財事件」となるのは、主に以下の場合です。

ただし、事情によっては、要件に該当しない場合でも管財事件となる

場合があります。

 ・一定以上の財産がある場合(20万円以上の財産がある場合)

 ・個人事業主などの場合

 ・免責不許可事由があり、調査が必要な場合

 

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犯罪の被害者ら弁護士一貫支援 改正法成立

先月、中日新聞に以下の記事が出ていました。

 

「殺人や性犯罪などの遺族・被害者を事件直後から一貫してサポートする

「犯罪被害者等支援弁護士制度」の創設を柱とした改正総合法律支援法が

18日、衆院本会議で全会一致により可決、成立した。

公布後、2年以内に施行される。参院で先に審議されていた。

新制度は、事件後の早い段階から、

けがや精神的ダメージで働けなくなったり、

自力で弁護士を探すのは困難だったりする遺族・被害者を、

弁護士がワンストップで支える。

これまでの国の支援は弁護士費用の立て替えなどに限られていた。

改正で、日本司法支援センター(法テラス)に新制度の窓口を設置。

(1)被害届・告訴状の作成や提出

(2)加害者側との示談交渉

(3)損害賠償請求の提訴

(4)国の支援給付金の申請―などを担う弁護士を被害者らに紹介する。

捜査機関や裁判所、行政機関への付き添いもする。

利用に当たっては経済事情による要件を設けるが

「(これまで通りの)生活の維持が困難になる恐れ」として、

幅広く認定する見通し。

対象は、殺人や自動車運転処罰法の危険運転致死など

「故意に人を死亡させた罪」の事件遺族や、その未遂事件の被害者。

不同意性交・わいせつといった性犯罪も含む。

衆院法務委員会では、政府に十分な予算確保や、

支援弁護士の質の担保を求める付帯決議が可決された。」

 

2年以内に施行ということなので、2026年までに施行される見通しです。

 

現行法のもとでも、法テラスによる被害者支援の規定はありますが、

主に資力がない人に限定されていたり、内容も法律相談や民事裁判の

一部費用の立替、一般的な情報提供といったように限定されています。

改正法により、上記記事のように、早い段階からの支援が可能となったり、

利用要件が緩和されました。

 

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