相続放棄をする際の注意点
被相続人にプラスの財産がなくマイナスの財産(負債等)しかない場合や、
そもそも相続手続きに関与したくない場合などの理由で
相続放棄を検討されているとき、注意をしなければならない点があります。
まず、相続放棄の手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する
家庭裁判所に申述を行う必要があります。
例えば、相続人が三重県津市に住んでいても、被相続人が三重県松阪市
に住んでいたら、津家庭裁判所松阪支部に申し立てることになります。
相続の相談の際、相続人間で「私は相続しません」と言えば、
相続放棄したことになると考えていらっしゃる方や、
手続きを何もしなければ相続しないと考えていらっしゃる方が
まだまだいらっしゃいます。
必ず、裁判所で手続きを行う必要があるので注意してください。
相続放棄の手続きを行っても、相続放棄ができないケースがあります。
相続放棄できないケースには
①書類の不備
②熟慮機関の経過
③単純承認が成立する場合
が挙げられます。
①書類の不備については、家庭裁判所に指摘されたら直ぐに
補充するなどすれば大丈夫ですので、すぐに対応しましょう。
②熟慮機関の経過については、原則として相続放棄が受理されません。
しかし、熟慮期間がけいかしていても、経過してしまったことに
やむを得ない事情が認められる場合には、
相続放棄が認められることがありますので、
弁護士等の専門家に相談してみてください。
③単純承認とは、被相続人の財産の全部または一部を処分したとき
などが該当します。
単純承認をしていると、相続することを認めたこととなりますので、
それに反する相続放棄は認められなくなります。
しかし、この場合であっても、やむを得ない事情などがある場合には、
単純承認行為の後でも相続放棄が認められる場合もあります。
実際、先日、被相続人の財産を一部処分してしまった後でしたが、
相続放棄の申述を行ったところ、
無事に相続放棄申述が受理されたケースがありました。
事情によっては、相続放棄が認められることもありますので、
相談されることをお勧めします。