破産手続きにおける債権者平等原則とは?
自己破産に関する相談を受けていると、
「知人からお金を借りているが、知人だけはこのまま返済していくので、
破産から外したい」などと言われる方がいらっしゃいます。
知人に迷惑をかけたくないという気持ちは分かりますが、
自己破産手続きをとる場合、このように知人の方だけ返済を続ける
ということはできません。
破産手続きにおいては(個人再生手続きでも同様)、
「債権者平等原則」というのが定められています。
「債権者平等原則」ては、同じ債務者に対し、複数の債権者がいる場合、
すべての債権者を公平・平等に取り扱ったり、
債権額に応じた弁済を受けるべきであるという原則です。
ここでいう「債権者」には、貸金業者のみならず、個人も含まれるため、
知人等であっても、金銭を借りているということであれば、
当該知人も債権者に含まれることとなります。
そのため、たとえ知人であっても、破産手続きをとる場合、
知人だけに返済することは許されないこととなります。
知人からの借入金も破産債権として破産手続きにおいて
処理されなければなりません。
仮に、自己破産手続き中にもかかわらず、知人にのみ返済を続けた場合は
どうなるのでしょうか。
特定の債権者にのみ返済する行為は「偏頗弁済」に当たります。
偏頗弁済を行った場合、免責が許可されないことにもなりかねません。
また、破産管財人が「偏頗弁済」と判断すれば、
破産管財人が返済された金銭を回収することになりますので、
いったん返済を受けたにもかかわらず、
債権者である知人は破産管財人に返さなければならないことになりかねず、
余計に迷惑をかけることになりかねません。
ただし、自己破産しても免責されない債権(非免責債権)については、
手続き中に支払っても、債権者平等原則に反することはありません。
例えば、税金などの公租公課、養育費などが非免責債権に該当します。
写真は、依頼者様からいただきましたお菓子です。
弁護士・スタッフみんなで分けて、おいしくいただきました。
ありがとうございました。