特別養子縁組制度の見直し(その1)
特別養子縁組制度の見直しに関する改正民法が令和元年6月7日に成立し,
施行は公布から1年内とされました。
そこで,先日事務所内で行われた所属弁護士による勉強会において,
特別養子縁組制度の見直しに関し発表がありましたので,
以下,備忘録(?)として書いておこうと思います。
そもそも,普通養子縁組とは,実親子ではない者の間に,
法的な親子関係を創設するもので,法的な親子間では,例えば,
相互に相続権を有し,扶養義務を負うことになります。
合意・戸籍窓口への届出で成立しますし,
合意により離縁も認められています。
また,養子候補者に年齢制限はありません。
これに対し,特別養子縁組とは,
家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供して,
その健全な養育を図ることを目的として創設された,
専ら子どもの利益を図るための制度と言われています。
普通養子縁組と異なり,実親子関係を終了させること,
離縁の要件が厳格にするなどして,
養子が安定した家庭で養育されるようにすることが目的とされています。
特別養子縁組は,家庭裁判所の審判で成立することが必要ですし,
養子候補者に上限年齢が定められていました。
そのためか,特別養子縁組制度はそれほど利用件数が伸び悩んできました。
そこで,今回,児童養護施設に入所中の児童等に家庭的な
養育環境を提供するため,特別養子縁組の成立要件を緩和すること等により,
制度の利用を促進することを目的に,民法が改正されることになりました。
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