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日弁連・シンポジウム

先週の土曜日は、日弁連の犯罪被害者支援委員会関連のため東京へ。

午前中は委員会があり、

午後は、『医療の現場からみた「性犯罪・性暴力被害者のための

ワンストップ支援センターの現状と課題」』と題する

シンポジウムに出席してきました。

 

産婦人科医師であり、性暴力救援センター大阪SACHICOの代表を

務めていらっしゃる加藤治子先生の基調講演に始まり、

全国のワンストップ支援センターへのアンケート結果報告、

パネルディスカッションがありました。

2018年11月1日現在で、全都道府県に、性暴力・

性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターが設置されています。

全国54か所のうち、病院拠点型は12か所、

相談センターを中心とした連携型が39か所、

相談センター拠点型が1か所、その他が2か所という結果でした。

病院拠点型はまだまだ少ない印象ですね。

 

病院拠点型を選択した理由として、

・医療機関内にあることにより、

 治療・カウンセリングにスムーズにつなげる等、利便性が高い

・被害直後の性暴力被害者支援には緊急医療処置、

 心理的支援が最優先される

などと言った点が挙げられていました。

 

ただ、病院拠点型が現在抱える問題点として、

・病院内にセンターを置くことは、病院や医師、看護師に多大な労力を課し、

 精神的、事務処理的にも相当な負担があるのに、

 拠点病院への補償がない、または不十分

・性暴力被害者支援に対して、診療報酬で反映されていない

などが挙げられていました。

 

確かに、病院拠点型の場合、

24時間体制であることなどの利便性がある一方で、

このような緊急対応や夜間呼び出し等に対する手当等は

考えるべきであるといえます。

そうすると、やはり財政的補償は欠かせないといえます。

もちろん、補償だけの問題ではありません。

性暴力に精通した医師・看護師の確保や要請、

相談員・支援員の確保や要請などの問題点もあります。

 

今後も、ワンストップ支援センターの議論が深まり、

少しでも、性犯罪・性暴力被害者のための制度・センターの充実化が

図られることを願います。

 

H310126 日比谷公園.JPG

写真は日弁連の前にある日比谷公園内にて。

昼間の東京はこれだけ晴れていたのに、

夜三重県に戻ってきたら雪が積もっていてビックリしました。