評価損(格落ち損)
評価損とは、交通事故前の車両価格と修理後の車両価格の差額を言います。
すなわち、
修理してもなお車両としての機能や外観が完全に元通りにならない場合、
あるいは、
事故歴によって車両の評価が下落した場合に生じる損害のことを言います。
この評価損には、
1)技術上の評価損(技術上の限界から修理してもなお欠陥が残存する場合)と、
2)取引上の評価損(事故歴があるという理由で交換価値が低下する場合)
の2種類があるとされ、
2)の場合を狭義の評価損といい、
これを肯定する見解と否定する見解とに分かれます。
狭義の評価損を否定する見解は、
交換価値は低下したとしても使用していく限り、
時間の経過により車両価格も減少し損害は現実化しないし、
仮にそこで買い換えたと仮定して評価損を認めると、
買い替えを認められない場合に買い替えと認めたと同様な利益を与える
こととなり相当でないことなどを理由としています。
一方、狭義の評価損を肯定する見解は、
現実に中古車市場では交通事故歴のある車は価格が低下する傾向にあり、
中古車業者は事故歴修復歴を表示しなければならないことから、
交換価値は明らかに低下していることなどを理由としています。
さらに、評価損を肯定するとして、
どの範囲について損害を認めるのかが問題となってきます。
たとえば、初年度登録から交通事故発生までの期間、
走行距離などを念頭に評価損の発生を検討すべきする見解や、
車両の骨格部分、エンジンなど、走行性、安全性能にかかわる部分に
交通事故の影響が及んでいる可能性がある場合に限り
評価損を認める見解などがあります。
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アジサイが映える季節になりました。
今日は、三重でも雨が降りました
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