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脱法ハーブ吸引による交通事故に関する判決

脱法ハーブを吸って車を運転し、女子高生をはねて死亡させたとして、

危険運転致死罪などに問われていた裁判員裁判において、

名古屋地裁は、今月10日、同罪の成立を認めました。

脱法ハーブの吸引による交通死亡事故に危険運転致死罪を適用した判決は、

全国初とされています。

上記判決は、被告が吸引した脱法ハーブはについて、

「効果は大麻の数十倍で、飲酒時と似た感覚になり、

多くの場合は酩酊状態に達する」と指摘しています。

また、同判決は、

被告は、吸引の影響で、時間的・空間的な感覚が変調しており、

正常な運転は困難状態であったと認定しました。

そして、脱法ハーブの危険性が以前から広く報道され、

被告も事故前から認識していたと供述したこと、

被告が脱法ハーブの後遺症をインターネットで調べていたことなどから、

「危険性の認識はあった」と認められました。

裁判長は、「薬物の影響が強い脱法ハーブを使用していながら、

あえてハンドルを握って起こした事故で、結果は重大」

と判決において述べました。

 

弁護士としては気になる判決でした。

 

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