素因減額の事例
1月31日付ブログで素因減額とは何かを書きました
今回は、素因減額が問題となった事例について書きます。
(1) 心因的素因が問題となった事例
さいたま地裁平成22年9月29日判決
頭頸部症候群等で14級9号の後遺症を残したとする被害者につき、
事故当初は「加療約2週間」との診断であったが、
その後顔面の痙攣、右指の異常を訴える等多彩な愁訴となり、
治療やリハビリを受けるも効果があまり見られず、
むしろ悪化する傾向がみられることからすると、
心因的要因による影響が相当程度あることが推認できるとし、
原告の損害は本件事故のみによって通常発生する程度、
範囲を超えているとして、原告の損害から20%を控除した。
(2) 体質的素因(疾患・身体的特徴)が問題となった事例
京都地裁平成22年12月14日判決
停車中に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫で入通院し、
その間、外傷性頸部症候群、頚部脊柱い管狭窄症と診断され、
脊柱の変形傷害を残すとして11級7号の後遺障害認定を受けた被害者につき、
本件事故後の症状は
事故に起因するC6/7の椎間板ヘルニアによるものと考えられるが、
既往症であるC3/4、5/6の椎間板ヘルニア等により生じた以前の症状と
共通又は類似するものがある等から、
公平の観点から被害者の損害から20%の素因減額を認めた。
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写真は、信州へ出かけた際に、
事務所へのお土産としたお菓子です。
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