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姻族関係終了届

先日、「死後離婚」というテーマの報道がありました。

配偶者の死亡により、婚姻関係は終了するので、

配偶者の死後に離婚するということは考えられません。

ですので、「死後離婚」という言葉自体は、正しくありません。

ただ、報道等を見ていると、

姻族関係終了のことを、死後離婚と言っているようです。

 

結婚すると、配偶者の父母や兄弟との間で、

姻族といわれる関係が築かれることになります。

配偶者の生前に離婚すれば、配偶者との婚姻関係はもちろんのこと、

この姻族との関係も終了します。

しかし、配偶者が死亡すると、婚姻関係は終了するのですが、

姻族関係は残ることになります。

配偶者の死後、この姻族関係を終了させる手続きが、

「姻族関係終了届」を提出するということになります。

この姻族関係終了届を出す人が増えているらしいのです。

姻族関係終了届は、提出する人の意思だけで届け出をすることができ、

姻族の了承は不要です。

また、家庭裁判所への申し立ても不要です。

なお、戸籍はそのままの状態となりますので、

戸籍も別にしたいと考える場合には、

復氏届を忘れずにしておかなければなりません。

 

この姻族関係終了のメリットとして考えられるのは、

姻族との関係が切れるということであったり、

遺族年金は手続きをしておけば受領し続けることができます。

また、すでに発生した相続に影響を及ぼさないことなどが挙げられます。

しかし一方で、姻族関係が切れてしまうと、

亡くなった配偶者の法事等に連絡をもらえなくなるなど

と言ったことも考えられます。

そのため、提出するか否かは十分に考慮してからの方がよいかもしれません。

 

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