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自動車運転死傷行為処罰法

お酒や薬物などの影響で交通事故を起こした場合の罰則を強化した

「自動車運転死傷行為処罰法」が平成26年5月20日施行されました。

 

刑法における危険運転致死傷罪では、その適用対象を、

お酒や薬物の影響で「正常な運転が困難な状態」と規定していました。

しかし、その立証が困難であることなどから、同罪の適用が見送られ、

自動車運転過失致死傷罪が適用されることがありました。

 

ただ、この2つの罪では、法定刑に差があります。

 

そこで、以下の場合を適用対象とした、

自動車運転死傷行為処罰法が新設されました。

 ・お酒や薬物の影響で「正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で

  運転した場合

 ・幻覚や発作を伴う病気(政令で定める)の影響で正常な運転に支障が

  生じる恐れがある状態で自動車を運転する場合

 

さらに、お酒や薬物の影響で、

運転上必要な注意を怠り死傷事故を起こした場合に、

その影響の有無や程度の発覚を免れるために、

  ・さらにアルコールや薬物を摂取する

  ・その場を離れて身体に保有するアルコールや薬物の濃度を減少させる

などした場合も、「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱」として

処罰されることとなりました。

 

ただ、「構成要件が曖昧で、処罰範囲が不当に拡大される」として

反対意見もあります。

 

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