認知症で電車にはねられた男性遺族に対する賠償命令
先日(平成25年8月9日)、名古屋地方裁判所は、
認知症の男性が線路内に立入り電車と接触した事故(平成19年12月)に関し、
JR東海が遺族ら(男性の妻と長男)に対し、
列車が遅れたことに関する損害賠償を求めた訴訟において、
家族らの安全対策が不十分であったとして、
遺族らに約720万円を支払うよう、判決を下しました。
男性は、事故が発生した年の2月に、
常に介護が必要とされる「認知症高齢者自立度4」と認定されていました。
裁判長は、介護ヘルパーを依頼するなどの措置を取らず、
目を離したすきに男性が外出したことを指摘しました。
また、別居の長男も「事実上の監督者」で有るにもかかわらず、
徘徊を防止する必要な適切な措置を講じていなかったと指摘しました。
そして、男性の介護体制は、
介護者が常に目を離さないことが前提となっており、過失の責任は免れない、
と指摘しました。
なお、遺族らは控訴したとのことですので、
高等裁判所では如何なる判決となるのか、
弁護士としては気になるところです。
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