てんかん発作による交通事故の責任(宇都宮地判)
平成23年に小学生がクレーン車にはねられ死亡した事故をめぐる
損害賠償訴訟において、
宇都宮地裁は、平成25年4月24日、
当時てんかんの発作で意識を失っていた元運転手の男性と、同居の母、
元勤務先に対し、損害賠償を支払うよう判決を下しました。
同判決の判決理由で、
「母親には会社に(発作の危険性を)通報する義務があったのに、
しなかったのは違法」であるとして母親の賠償責任を認めました。
上記事件においては、母親は元運転手に自動車を買い与え、
医師には運転していないなどとうそをついていたことや、
事故前夜に元運転手がてんかんの薬を飲んでいないことを
知っていたにも関わらず会社に通報しなかったこと
などの事実が認定されています。
そのうえで、
「会社に通報することは容易で、事故を回避できた」とされています。
成人への監督責任を認めた例は珍しいものと言えます。
上記のように具体的事実に基づいて、
母親の運転への関与の強さを認定し、賠償責任を認めたものと思われます。
写真は、三重県四日市市内で咲いているのを発見した藤の花です。
例年より早い!?
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