養育費と大学進学(東京高決平成12年12月5日)
子が成年に達した途端、父(義務者)が養育費の送金を打ち切った事案に関し、
東京高裁は、以下のように判断しました(東京高決平成12年12月5日)。
4年制大学への進学率が相当高い割合に達しており、かつ、
大学における高等教育を受けたか否かが
就職の類型的な差異につながっている現状においては、
子が4年制の大学に進学している場合、
20歳に達した後も当該大学の学業を続けるため、
その生活時間を優先的に勉学に充てることは必要であり、
その結果、その学費・生活費に不足が生ずることがあり得るのは
やむを得ないことと言うべきである。
このような不足が生じた場合、当該子が、卒業すべき年齢等まで、
その不足する学費・生活費をどのように調達すべきかについては、
その不足する額、不足するに至った経緯、
受けることができる奨学金(給与金のみならず貸与金を含む。以下同じ。)
の種類、その金額、支給の時期、方法等、
いわゆるアルバイトによる収入の有無、見込み、その金額等、
奨学団体以外からその学費の貸与を受ける可能性の有無、
親の資力、親の当該子の4年制大学進学に関する意向
その他の当該子の学業係属に関連する諸般の事情を考慮した上で、
その調達の方法ひいては親からの扶養の要否を論ずるべき者であって、
その子が成人に達し、かつ、健康であることの一事をもって直ちに、
その子が要扶養状態にないと断定することは相当でない。
写真は、三重県伊勢市にある猿田彦神社です。
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