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相続財産管理人選任の要件・相続財産の存在(その2)

相続財産管理人選任の要件・相続財産の存在(その1)の続きです。

 

ア)積極財産が僅かしかない場合  

  このような場合でも、法的には相続財産法人が成立している

  と言わなければなりません。

  しかし、相続財産管理人を選任して、その後の手続を行うためには、

  官報広告費用や、調査費用、

  相続財産管理人の報酬等の費用がかかることになり、

  これらの費用を捻出するに足りるだけの相続財産がなければ、

  相続財産管理人を選任する実益がないとも考えられます。

 

イ)消極財産しかない場合

  この場合にも、法的には、相続財産法人が成立している

  と言わなければなりません。

  しかし、消極財産しかない場合には、

  通常、清算する財産が存在しないのであるから、

  財産管理人を選任する実益がないと考えることもできます。

  ただ、相続財産法人に登記義務があると考えられる場合には、

  実益があると考えられます。

  例えば、被相続人が、生前、

  第三者所有の不動産に抵当権を有していましたが、

  その後、弁済等を受け、本来であれば抵当権世抵当記抹消ができたのに、

  抹消登記をすることなく亡くなってしまった場合のように、

  抹消登記義務のみが残存している場合が挙げられます。

 

瀧原宮・参道.JPGのサムネール画像

 

写真は、三重県度会郡大紀町にある瀧原宮という神社内です。

自然に囲まれた中にも、荘厳な雰囲気が漂っていましたconfident